第33回 赤ちゃんの病気シリーズ(3) はじめてのお熱
今年の短かった夏も終わりあっという間に9月となりました。梅雨~一気に秋に移ってしまった感がありますね。育児相談でも汗疹の相談は例年になく少なかった様に思います。私個人にとってはシンポジウムの発表やNPO団体の新事業の立ち上げ、カモマイルのフォローなど今までにない忙しい夏でした。スイミングでも20人近い妊婦さんが在籍し、安産めざして頑張っていました。
今回の病気シリーズは「はじめてのお熱」です。生後3ヶ月まではママから病気に対する抵抗力をもらっているので、熱が出ることはあまりありません。
最初の熱で一番多いのは、「突発性発疹」という病気でしょう。これはママからの免疫が切れましたよ・・・・というサインのようなもので、9割の赤ちゃんが生後6ヶ月~1才までに罹ります。最初の症状は熱のみですぐ38~39℃代にあがり、ママもあわてて小児科に連れてくるのですが風邪症状もなく「突発かな~??」という事で解熱剤の処方だけで終わります。Drによっても2~3日過ぎて、時期がこないと下がらないので薬の処方もない所もあります。3日目に熱もさがると同時に全身に発疹(ピンク色の細かいもの)が出て治るのが一般的な経過です。
熱が出るととても不安になり、このまま頭がおかしくなってしまうのではないかと思ってしまうママもいますね。
ここで熱の出たときのチェックポイントと家庭でのケアについてお話してみたいと思います。
| 1. | まずチェックするポイント!! | ||
| ● | いつからの熱ですか?(いつ気が付きましたか)平熱と比べてどうでしょう。 | ![]() | |
| ● | 熱の他の症状がありますか?(意識がない、咳がでている、腹痛を伴う、吐いている、けいれんがある) | ||
| ● | 水分や食事はとれていますか?(離乳食などは無理に与えなくてよいので、喉ごしのよいアイス、くず湯、ゼリーなどにしてもよいでしょう。 吐き気がある時は柑橘系のジュースやヨーグルトは控えましょう。 おっぱいのみの赤ちゃんでも赤ちゃん用のイオン飲料などをスプーンや哺乳瓶などでこまめに与えて脱水を防ぎます) | ||
| ● | おしっこはでていますか?(オムツが2~3時間たっても濡れなければ脱水の可能性があります。皮膚の弾力もなく頭の上の大泉門がへこんできたら点滴をしないといけません。早めに病院に受診しましょう。) | ||
| 2. | 解熱剤の使用について | ||
38℃~38,5℃以上の熱がでた場合は、使用してもかまいませんが、風邪などの場合は一時的にさがっても治ったわけではないので、 また4~5時間の薬の効力が落ちると、また熱が上昇してきます。子供は比較的熱には強いものなので、元気がある時や眠っている時は無理に使用せず、冷えぴたシートや氷枕などで気分よく過ごせるよう配慮します。ただはいはい時期の赤ちゃんだと、氷枕は使用が無理なので薄着にして熱を発散させやすくします。生後4~6ヶ月ぐらいになると市販の「小児用熱さまし」も使えますが、夜中の熱で、明日の朝小児科に連れていく為の一時的な服用に留めておいたほうが安全かと思います。 | |||
| 3. | 家庭でのケアについて | ||
| (1) | 掛け物、衣類、室温の調節をしましょう。 熱が上がると毛布などで包むママもいますね。確かに熱の上がりはじめは悪寒がするのでそうしてあげてかまいませんが、上がりきると逆に身体が熱くなりますので、薄着にして熱の放散を促します。 新生児訪問などでも暖房をガンガンかけて、お布団3枚、靴下を履かせている赤ちゃんの熱をはかったら38℃ありました。体温調節が未熟なのですぐ上がってしまいます。大人よりも薄着でよいでしょう。 | ||
| (2) | 赤ちゃんの身体の冷やし方 氷まくらや水でぬらしたタオルで頭を冷やすのは、よく動く赤ちゃんにとっては不都合でしょう。ほとんどのママは冷えピタシートなどで額を貼っていますが、冷やしたからと言って熱が下がるわけではありません。嫌がる場合には無理にしなくてもよいでしょう。 高熱の場合は首の付け根やわきの下、足の付け根に浅く流れている太い動脈(さわるとドックン、ドックン脈を打つところ)の部分を冷やすと効果的です。ただ赤ちゃんは体温が下がりやすいので、注意しながら行ってください。 | ||
| (3) | 水分、食事の取り方について 白湯、番茶、赤ちゃん用イオン飲料などを十分に与えてください。一度に多く与えると吐く事があるので、様子を見ながら少量ずつ回数を多く与えるようにします。離乳食が1~2回食ぐらいまでの赤ちゃんは無理しないで、離乳食はストップしてもよいです。熱がちょっとでも下がると食欲が出てきますので、りんごのすりおろしやマッシュ(ベビーフードであります)、うどんのくたくた煮など消化のよいものを与えます。粉末の粉薬の場合、アイスクリームに混ぜてあげると服用しやすいようです。 | ||
| 4. | 熱性けいれん(ひきつけ)について | ||
小さい子供は脳の発達が未熟なため、高い熱が出たとき(出はじめ24h~48hで39℃前後)にけいれんを起こす事があります。はじめてのお母さんは気が動転してしまう事が多いようですが、あわてず落ち着いて対処しましょう。ほとんどが2~3分でおさまりますが、長い間けいれんが続く、けいれんが何度も起こる(けいれん重積)、呼吸が止まっているなどの場合は緊急を要します。チェックポイントとして、何分ぐらい続くか、白眼を向いていないか、手足の振るえや硬直の強度、振るえが左右対称であるか、、などの様子を医師に正確に伝えます。 昔は舌を噛まない様に割り箸を口に入れたりもしましたが、逆に口を傷つけたり舌を喉の奥に押し込んだりしてしまうので、今はその方法は取られていません。ゆすったりもせず静かにけいれんが治まるのをまち、衣服がきついようであればボタンをはずしたり楽にします。嘔吐も一緒に見られる時は窒息しないように横向きに寝かせます。 熱性けいれんを繰り返す赤ちゃんはあらかじめ、解熱用の座薬(肛門より挿入)を処方してもらい、ひきつけが起こる前に熱を下げる方法で対処します。 だいたいの赤ちゃんは年齢が上がると共になくなってきますが、予防注射も延期になる事もあるので主治医と相談しながら脳波をとったり予後をフォローしていきます。 | |||
赤ちゃんの熱はママやパパにとってもとても心配してしまいますが、夜間の救急病院などは2時間待ちという所もあります。一晩様子がみられるものなのか緊急を要するものなのかは赤ちゃんの機嫌によっても左右されます。発熱というのはウイルスや細菌と身体が戦っている証拠なので、熱性けいれんの既往がない子以外は、あまり無理に下げようとしないで周囲の人があわてず、落ち着いて対処していかれるとよいと思います。

◆プロフィール
東京都調布市在住、助産師大学病院、未熟児センター勤務の後、結婚を機にフリーとなる。現在近隣の市区町村で、母親学級、育児相談、新生児訪問を行う。「ベビーマッサージ教室、カモマイル」、マタニティー専門トリートメントルーム「Queen Mammy」を主宰、アロマテラピーを用いた産前、産後のケアの他、最近はサロン、スパ施設などのマタニティーメニュー導入、立ち上げにも力をいれる。また、三鷹市のスポーツクラブ(レアレア、セサミスポーツクラブ、ティップネス国領店)でマタニティスイミング、アクアビクスのインストラクターも兼任する。
浅井貴子さんホームページ:http://www.mid-wife.info/


また4~5時間の薬の効力が落ちると、また熱が上昇してきます。子供は比較的熱には強いものなので、元気がある時や眠っている時は無理に使用せず、冷えぴたシートや氷枕などで気分よく過ごせるよう配慮します。ただはいはい時期の赤ちゃんだと、氷枕は使用が無理なので薄着にして熱を発散させやすくします。
小さい子供は脳の発達が未熟なため、高い熱が出たとき(出はじめ24h~48hで39℃前後)にけいれんを起こす事があります。はじめてのお母さんは気が動転してしまう事が多いようですが、あわてず落ち着いて対処しましょう。ほとんどが2~3分でおさまりますが、長い間けいれんが続く、けいれんが何度も起こる(けいれん重積)、呼吸が止まっているなどの場合は緊急を要します。










