HERBAL MAGAZINE マガジン

第101号 妊娠中の静脈瘤(Varix)ケア

すっかりコラムがご無沙汰になってしまい、申し訳ありませんでした。今回はカタログ、LifewareBookにも紹介しています、「妊娠中の静脈瘤」について御紹介いたします。最近、高齢化や勤労妊婦さんの増加により静脈瘤で悩む妊婦さんが増えてきたように思います。完璧になくすには外科的な治療が不可欠ですが、アロマや日常生活でケアをして症状を楽にする方法をお伝えしたいと思います。


1.妊娠中に静脈瘤になりやすいのはどうして?
妊娠中の足の静脈瘤に悩む人は全妊婦さんの10~20%と実数は少ないのですが、最近は勤労妊婦さん、出産年齢の高齢化に伴い、
悩まれる妊婦さんは増えつつあります。また35歳以上の女性の6割が大小合わせてなんらかの静脈瘤があるというデータもあります。
まず妊娠すると黄体ホルモンというホルモンが分泌されるのですが、その黄体ホルモンは子宮の筋肉を和らげるだけでなく、
血管の平滑筋の収縮(血管壁の弾力性)も抑える事がわかってきています。結果、血管内の弾力も低下し、「静脈弁」の働きも鈍くなり、下肢に溜まった血液が上の方にもどりにくくなります。これがこぶ状になる事を「静脈瘤」と言います。なのででピルを飲用している人も静脈瘤になりやすいと言われます。そして子宮の増大による骨盤内の圧迫により「痔」や「足の浮腫」と同じく下肢の血管にも負担が来て、中には会陰や膣の中まで静脈瘤が出来る人もいます。会陰に静脈瘤が出来ると、出産時の会陰切開や裂傷で出血をする事があるので特に注意が必要です。

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2.症状は?
静脈瘤は、黄体ホルモンが関係してくるので、7,8割は妊娠初期からすでにその兆候はあると言われています。家族に静脈瘤の既往がある人や出産回数が多い人、高齢妊娠の人は症状が安定期からでも出現します。ごく初期は膝の裏側~ふくらはぎ、大腿にかけて赤紫、青紫色で細い血管が糸状に拡張していて無症状であるもの、血管が非常に太くなり、曲がりくねってミミズのように皮膚から突出しているものまであります。後者になると、「だるい」「重たい」「ピリピリする痛み」「熱感」「こむら返りがある」などの不快症状を伴います。悪化すると皮膚の栄養状態が悪くなり、色素沈着や潰瘍ができたり、湿疹ができ、かゆみを伴う人もいて、血栓性静脈炎も併発する人もいます。主に朝よりも立位で活動した後の夕方~夜にかけて症状が悪化しやすい人が多いようです。

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3.日常生活のメンテナンス
一般的な静脈瘤の治療は 1) 弾性包帯による圧迫療法 2) 硬化療法(膨らんだ静脈瘤内に血管を固めるための硬化剤を注入する方法)3) 手術療法 があります。静脈瘤は出産後はかなり改善する人が多いので、妊娠中は主に圧迫法という保存的な治療で様子をみて、産後の症状の改善具合でその後の治療方針が決まります。
(1) 下肢を圧迫し挙上しましょう。
弾性包帯やサポートストッキングなどを着用し、足を強く締め、血液の溜まりを少なくし、血液の流れがよくなるようにしましょう。特に立ち仕事の人や長時間同じ姿勢の人は1時間に5~10分足を高くしたり、就寝時には必ず横に寝て、足をクッションなどで高く保ちましょう。椅子に座り続けている人も歩くなどの運動も意識してするとよいでしょう。

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静脈瘤は一度出来てしまうと、なかなか消える事がないので、日頃から足が浮腫やすい人や夕方になるとだるさを感じる人は予防的にサポートストッキングの着用をしたほうがよいでしょう。
(2)足の血行をよくしましょう。
だるいと思ったらすぐフットマッサージや足浴をしたり、足の裏をよつばいになってパートナーに踏んでもらうのも効果があります。パンプスや足先を締め付けるような靴ははかず、ゆったりしたクロックスなどの幅広のサンダルなどを着用しましょう。ソックスも五本指のソックスで足指間を広げ、足全体の血流をよくします。キッチンには青竹踏みをおいたり、マッサージグッズでセルフマッサージをしたり、、と下から上へ上げるようにマッサージするとよいでしょう。マッサージの方法は静脈瘤で膨らんでいる部分は出来るだけ触らず、主に静脈瘤の下方の部分を上に上げるようにします。
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(3)水中ウォーキングをしましょう。

静脈瘤の妊婦さんは陸上のウォーキングは重力があるので症状がかえって悪化しやすいのですが、水中に入ると浮力と水圧があるので、水中にいるだけでサポートストッキングを履いていると同じ効果があります。また水温が30℃前後と体温よりも低く冷却効果があるので、熱感がある静脈瘤の妊婦さんはかなり足が楽になったと言われます。マタニティースイミングやマタニティーアクアビクスをやっている施設が近くになければ、自治体の公共のプールでも今はウォーキングコースが設けられていますので、主治医と施設側の許可があればはじめられるとよいでしょう。これはかなり症状の改善に役に立ちます。

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4.アロマを利用してのケアは?
フットマッサージオイルとVarix ジェル(バリックスジェル)の二つの方法があります。好みの使用感で選びますが
暑い季節や熱感がある人はジェルのほうが爽快感がありよいでしょう。冷やしたジェルを布にのせ静脈瘤の上に貼っておくと
冷却効果があり不快感を和らげます。
自宅でフットマッサージをする場合にアロママッサージオイルを使用すると、より静脈還流が促進され香りの作用などで気分的にも良くなります。伸びが良くさらしとした使用感のグレープシードオイルをベースに痔に効果のある精油(サイプレス、イモーテル、ニアウリ)などを使用します。フットマッサージをした後に弾性ストッキングで巻いて下肢を挙上しておくとより効果が高くなります。外陰部に出来た場合はビデかミストタイプの容器に精製水またはフローラルウォーター(ラベンダー水)30mlにサイプレス、ジェニパーベリー、ラベンダーの精油をどれか1種類を3滴入れて使用すれば収斂効果があり
腫脹感を和らげるのに効果があります。
*静脈瘤のマッサージ方法 *
1.まず太もものリンパの流れをよくするために、内ももを心臓の方向で手のひら全体で上に押し上げます。
2.両手のひらを使って、ふくらはぎや静脈瘤の出来ている下方から上に押し上げるように交互にマッサージします。ゆっ
  くり丁寧に行うのがポイントです。
3.次は指の関節を使い、細かくクリッピングするような手技でふくらはぎの筋肉をマッサージします。
4. 弾性包帯かサポートストッキングで固定し、足を上に上げて休みます。

5. 浅井式おすすめブレンド
(1)マッサージオイル(軽症):グレープシードオイル30ml+サイプレス3滴+グレープフルーツ3滴
            (重症):グレープシードオイル30ml+サイプレス3滴+イモーテル3滴
(2) バリックスジェル:精製水(お好みでラベンダーウォーターなどでもよい)200ml+ペパーミント10滴
 (20週過ぎたら)   +ニアウリ10滴+キサンタンガム2g+無水エタノール5cc
* バリックスジェルの作り方*
1. ガラス容器に無水エタノールに精油とキサンタンガムを入れよく攪拌する。料理用の小さい泡だて器があると便利
2. 少しずつ精製水(またはフローラルウォーター)をいれよく混ぜ、冷蔵庫で冷やして出来上がり
( 防腐剤を使用していないので、冷蔵庫に保管して1週間を目安にお使いください )

サイプレス :ヒノキ科の植物でスパイシーな香りがします。うっ滞除去、静脈瘤や痔に対して収斂作用があります。ホルモン調整作用がありますので、妊娠初期(16週まで)は使用を控えます。

グレープフルーツ :さわやかな香りで気持ちもリフレッシュします。免疫を強化し、リンパの流れをよくし、抗炎症作用があります。ただ日光に当たるとかぶれやすいので(光感作作用)スラックスやタイツなどでカバーしましょう。
イモーテル(へリクリサム):キク科のイモーテルという植物からとれる精油です。甘くウッディーな香りです。美肌のスキンケアでも注目された香りです。血腫抑制、血液凝固作用があり、抗けいれん作用、鎮静作用があります。
ペパーミント :清涼感あふれる香りで、頭痛、筋肉痛などの各種の痛みの緩和に効きます。また抗ウイルス作用もあるので家庭で1本あると重宝する精油です。
ニアウリ :筋肉痛や関節炎、リウマチなどの痛みを緩和したい時や切り傷や炎症止めに効果があります。また血管収縮作用や皮膚の強壮作用もあるので、静脈瘤にはイモーテルについで効果がある精油と言われています。


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精油塗布の注意
精油塗布する場合は16週以降に、またマッサージに使う精油を選んだり、ブレンドする場合は助産師やアロマセラピストの助
言の元に行ってください。

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◆プロフィール

東京都調布市在住、助産師大学病院、未熟児センター勤務の後、結婚を機にフリーとなる。現在近隣の市区町村で、母親学級、育児相談、新生児訪問を行う。「ベビーマッサージ教室、カモマイル」、マタニティー専門トリートメントルーム「Queen Mammy」を主宰、アロマテラピーを用いた産前、産後のケアの他、最近はサロン、スパ施設などのマタニティーメニュー導入、立ち上げにも力をいれる。また、三鷹市のスポーツクラブ(レアレア、セサミスポーツクラブ、ティップネス国領店)でマタニティスイミング、アクアビクスのインストラクターも兼任する。
浅井貴子さんホームページ:http://www.mid-wife.info/

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