開発室のTABLE TALK<3> 「今考える、保存食品のこと」
私達が食べている食品は普通、放っておくとどんどん劣化して腐っていきます。
食品はもとは生物ですので、その命が終われば、腐り土へとかえるのは
自然の流れであたりまえのこと。
現代では、防腐剤の使用などにより腐らせないための技術が進み、
私達の食生活は便利にはなりましたが、
薬品の力で強制的に食品を保存するのはとても不自然なことです。
その昔、寒くて作物の採れない時期や作物の育たない地域では
食べるものがありませんでした。
そこで、まだ今のような保存技術の発達していなかった当時、
人々は自然の力、身の回りのものを利用して食品を保存することを考え出しました。
ものが腐る原因は俗に腐敗微生物と呼ばれる菌などの微生物によるものです。
これをいかに防ぐか。それが食品保存の最大のテーマであり、
そのために様々な知恵が編み出されました。
その中で、最もシンプルな方法は乾燥です。
微生物の繁殖には水分が必要なので、乾燥によって
水分が減ることで食品は腐りにくくなります。
そして、乾燥により堅くなった外皮は微生物の進入を防ぐため、
更に保存性が高まるのです。
現在では健康食品としてのイメージの強いドライフルーツも
本来は保存の目的で作られたものです。
また、これは保存技術の副産物のようなものですが、
乾燥により成分が凝縮され栄養価が高まることがわかり、
その他の保存技術が発達した今でもドライフルーツは
健康を気遣う人々に幅広く浸透しています。
その他にも、砂糖漬け、塩漬け、酢漬けなど、
現在では嗜好品として形を変えた昔ながらの知恵による
保存食品が私達に受け入れられています。
本来はすぐに腐ってしまうはずの食品。これをできるだけ自然な状態で保存する。
昔の人々の素晴らしい知恵をもう一度見直し、毎日の生活に役立てていきたいものです。
実際に、日々の生活の中で昔ながらの保存の知恵はけっこう使えるものです。
今年の春頃の話ですが、義母より大量の蕗(フキ)をもらいました。
アクの強い野菜が大好きな私は大喜びだったのですが、
落ち着いて考えてみると、我が家は2人暮らしです。
こんなに沢山食べるのに何日かかることか。
お隣におすそ分けする程の近所付き合いもしていないし、
私が考えられるフキ料理のバリエーションなんて、たかがしれています。
そんな時に役に立ったのが砂糖漬けという保存方法でした。
(1)洗ったフキを鍋に入るくらいの長さにカットし、
まな板の上で塩をまぶしてゴリゴリと板ずりをします。
(2)鍋で湯を沸騰させフキを煮ます。

(3)火が通ったらザルにあけ水をきり、皮を剥きます。
(4)鍋に水と、同量の砂糖を入れ、弱火でフキを煮ます。

(5)水分が飛んでフキの表面にテリが出たら火を止めて取り出し、
グラニュー糖をまぶし、冷ましたら出来上がりです。

ほのかにフキ独特の香りと苦味を感じる砂糖菓子は、
ハーブティーを飲むときのお茶請けとしても良いですし、
小さく切ってお菓子のケーキやクッキーなどの飾り付けに使っても。
果実やオレンジピールなどで作るものとはまた違った味わいが楽しめます。
◆プロフィール
商品本部商品開発課 マネージャー 開発チームを率い、生活の木の商品開発を行う。 その他、Lifeware Bookの編集を担当。












