香りで迎える2012 12/26~1/24
HERBAL MAGAZINE マガジン

第17回 子育て体験記

この4月で育児コラムを連載して2年目に入りました。
もう外をみると桜も散り、我が家の子供達も部活に新学期の準備(ただ古い教科書を変えるだけだが、、)に追われています。
プールの妊婦さんも暖かさと共に人数も増え、新芽が息吹くように活気がでてきました。3月の下旬に東京で「マタニティ フィットネス コンベンション」があり参加したのですが、その中で「マタニティ スキンケア」の講座に出席しました。
今までは「妊娠線? 女の勲章で~す!」「静脈瘤? お産が終われば治りま~す」「足のむくみ? 妊娠末期は仕方ないの」で終わってしまってきた事を積極的にスキンケアをしたり、リンパの流れに沿ってマッサージする事により、マタニティライフをより快適でよりよい状態(Well-Being)にしましょう。という内容のものでした。
やっとそのあたりが産婦人科のDrによってプレゼンテーションされた事に意義があると思います。またその中でもベビーマッサージの効能についても語られていたのですが、その中でも特にダウン症の赤ちゃんにベビーマッサージをしたところ、四肢の動きがしっかりしてきたなど運動機能の向上の発達が見られたという報告がありました。ダウン症の会などにそのベビーマッサージをした赤ちゃんを連れて行くと、他の母親達は驚嘆の声をあげるそうです。本当に眠っている機能を目覚めさせ、興味が出てきて「この子は天使ちゃんです。」と言っていたママの生き生きした表情がわすれられません。とても勉強になった一日でした。

さて今回は私の相棒をご紹介したいと思っております。ずっとこのコラムのイラストを担当してくれ、公私共々お世話になっている「小犬丸 伸子氏」です。変った苗字ですが。「こいぬまる のぶこ」と呼びます。
そもそも彼女との知り合ったきっかけは調布市の新生児訪問で生後4週間目前後の頃だったでしょうか?「お仕事は?」「フリーのイラストレーターです。」なんて事から出産した総合病院の母親学級のテキストのイラストを見せてもらったりで友人になりました。いえ、させていただきました。という表現が適当かもしれません。只今彼女も1才4ヶ月の「光里ちゃん」というちょっと中性的(失礼!)でワイルドな女の子がいて、子育て真っ最中です。
この度、彼女が東京都が主催して公募した「子育て体験記」に見事入賞、佳作を授賞したのでご紹介したいと思っております。今の出来るだけ綺麗で汚さないで子育てをしている人には「目からウロコ」だと思いますがお読みくだされば嬉しく思います。

小さな、そして大きな体験

 「ああ、ままー」さっと手が出ます。
まだ産まれて1年ちょっとのわが子。目に映るすべてのものに興味津々です。興味あるものには手を出し、そのまま口へ・・・。しかしなるべく「食べちゃダメ、これは危ないから気をつけて」と言いたくありません。私はぐっと忍の一字で命の危険に関わるもの以外には目をつむるようにしています。私がこんなふうに寛容になれたのはある出来事があったからなのです。
ある日のこと、わが子をいよいよ公園へ連れて行こうと思い立ちました。それまでは室内で遊べる児童館や家での遊びがもっぱらでした。まだ歩けるわけではないし、清潔だし、室内一杯に広がったおもちゃの方が子どもに魅力的だと思っていたからでした。この日、公園へ連れて行こうかと思ったのも友人に「まだ公園に行っていないのはかわいそうよ」と言われたためでした。
子どもを近くの公園に連れて行き、初めて砂場に足を入れさせました。友人がしているように素足です。初めてのジャリッという感覚に、子どもは私につかまって離れようとはしません。「やっぱりそうよね、早いよね」私はそう思いました。実は自分の今までの育児感覚が正しかったことが証明されたようで正直嬉しさも感じていたのです。
試しに家から持ってきた砂遊びできそうな器やおもちゃで誘ってみました。そうしたらどうでしょう。あっさりと私から離れて砂にまみれ、おもちゃと遊び始めました。
おいしくないぞ! 非常にぎこちない様子でしたが、熱中し、私から離れて砂の感触を楽しみ、そして口に入れてはまずいと出し、幾度もそんな同じことを繰り返していました。
いつしか持ってきたおもちゃを使って砂をかき出したりしています。私はふと自分が今まで子どものために室内で遊ばせていたのは本当に子どものためになっていたかと不安になりました。「衛生的だから。子どものために考えられたおもちゃがあるから・・・」、そう考えているのは自分だけではなかっただろうか?今自分の目の前で砂にまみれてまずいと口から出しながらも、嬉々としている子どもの顔は今まで見たこともなく輝いていたのです。
その砂場の一件で、多少親の目から見てもいかがなものかと思うものでも、いろいろな体験をさせてあげようと思い立ちました。それは絵を描くことであったり、台所仕事であったり、芝生を裸足で歩くことであったり、生き物を触ることであったりさまざまです。もちろん完成度など求めてはいませんし、まずは何でも口で味見をしますから困ったものではありますが、それまで親の目で遠ざけてきてしまった「体験」を子どもにさせてあげられるようになりました。
安全な素材や環境を整えてあげた後は親の出番はあまりありません。ただ子どもが思うまま楽しみ、触れあい、そして味見。その瞬間こそ、子どもが成長している瞬間なのだと、ここにきてようやく思えるようになりました。
「ダメ」と言っていた頃と比べると、周囲からは「なんだかそれでいいの?」とか「そんなに大雑把で大丈夫なの?」と言われることも多くなったのですが、あれこれ子どもの興味に水をさしていた自分よりは、ずっとスッキリおおらかでいられるようになりました。自分では普通だと思っていたレベルというのは、実はひどく神経質であったことにも気がつきました。今ではきっと泥を食べても私はさほど驚かないようになったと思います。
たくさんあそぼうね ごくごく小さなうちから、子どもにはより多くのものを見、触り、味見してほしいと思います。体験そのものはとても小さくても、その体験と体験した後の達成感こそが、これから幼児期を経て、学童期、そして未来に大人になったときの知的好奇心や学習意欲を支えるものとなると思います。
今になって思い出します。自分だって結構汚いものや危ないものだって面白そうだったり、不思議なものには当然手を出していたってことを。

【小犬丸 伸子 氏 プロフィール】
1972年東京生まれ。大学在学中にパソコン雑誌でマンガ家デビュー。
編集者として活動後、結婚・出産を機にマンガ家兼イラストレーターに再び戻る。
現在は1人娘に翻弄されっぱなしの毎日。

「私の子育て体験記」を主催した、東京都「心の東京革命」のホームページはこちら

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◆プロフィール

東京都調布市在住、助産師大学病院、未熟児センター勤務の後、結婚を機にフリーとなる。現在近隣の市区町村で、母親学級、育児相談、新生児訪問を行う。「ベビーマッサージ教室、カモマイル」、マタニティー専門トリートメントルーム「Queen Mammy」を主宰、アロマテラピーを用いた産前、産後のケアの他、最近はサロン、スパ施設などのマタニティーメニュー導入、立ち上げにも力をいれる。また、三鷹市のスポーツクラブ(レアレア、セサミスポーツクラブ、ティップネス国領店)でマタニティスイミング、アクアビクスのインストラクターも兼任する。
浅井貴子さんホームページ:http://www.mid-wife.info/

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