香りで迎える2012 12/26~1/24
HERBAL MAGAZINE マガジン

第84回 赤ちゃんのうなりについて

私は今住んでいる調布市で月に20件前後「新生児訪問」という事業をしています。(1月は30件もありました!)今年の春から厚生労働省は新生児のいる全家庭を保健師や助産師らが訪問する「こんにちは赤ちゃん事業」というものをスタートさせます。今までは各自治体によって新生児訪問は初産のみなどの既定があったのですが、第2子も第3子以上も訪問をしていく事になります。政府は虐待や産後うつが増えてきての対策になりますが、子育ては初産だけが困るものではなく、二人目の赤ちゃんが育てにくい、上の子の赤ちゃん返りなど二人目、三人目でもそれなりの悩みや不安は大なり小なりあります。イギリスなどは地域のボランティアが定期的に見回り、ハウスケアやベビーケアの実践のサポートがあります。また継続的に支援をしていく事により、ママの産後ブルーの頻度もかなり減らせます。
日本でもやっとこうした支援の輪がNPOなどを中心に広がってきています。子育ては必ずしも専門家だけのアドバイスだけでなく、ちょっとした息抜きの仕方や地域の生きた情報がどんなにか役に立つでしょう。私も一方的な指導よりも、じっくり悩みを聞く「傾聴」を主にしながら、「1人で子育てしなくていいんだよ」という孤立感を少しでも減らせるような、ママの立場に立った訪問をしていきたいと思っています。皆さんも赤ちゃんが生まれたら、是非、地域の助産師や保健師がやっている「新生児訪問」を受けてくださいね。

  

今回はその訪問で3人に1人は相談に受ける、「赤ちゃんのうなり」です。主な表現は「顔を真っ赤にしていきみます」「身体全体をよじらせて苦しそう」「寝ているかと思ったら急にうなり、それで泣きだしてしまいます」「おっぱいを飲んでいる時も急にきばるようになるので、授乳が中断してしまいます」「うなりが多く眠りが浅いです」などの訴えが多くあげられます。本当に赤ちゃんは顔を真っ赤して、「う~~ん」と苦しそうにきばるような声をだすので、初めての赤ちゃんを持つママはとても心配になるようです。私の経験から男の赤ちゃんに多いような気がします。

原因はなんでしょう?
1.便秘気味
2.オナラを出したい時
3.衣服の着せすぎ
4.眠りが浅い時
5.臍ヘルニア、ソケイヘルニアなどの外科的疾患を併発している時などが考えられます。
   
では、対処法はなんでしょう?
1.

うなりやきばりの時は抱っこしても、なかなかおさまらない事が多いようです。ガス(オナラ)が溜まっている時は足をクロスし、お腹をよじるような運動(写真1)をまずしてみましょう。起きている時であれば、腹ばいをしてみてもよく出ます。 
また綿棒を肛門に入れて、肛門を前後、左右に開いてあげるとガスが出やすくなります。その時の綿棒は赤ちゃん用の綿棒だと細いので、傷をつけやすく効果があまりみられません。大人用の綿棒をほぐし(ほぐし綿棒)にして入れてあげると、よいでしょう。

   
2. ウンチの回数を気にしてみましょう。ちょこちょこでるのか、まとまって出る事が多いのか、メモに記録してみると、その赤ちゃんのきばりの時間や性格がわかります。生後2~3ヶ月までの赤ちゃんはまだ便意があっても腹圧が上手にかけられないので、それがきばりやうなりになるようです。赤ちゃんのお腹を蒸しタオルで温めたり、お風呂の時に石鹸などでクルクルお腹を時計回りにマッサージしてあげるものよいでしょう。もちろんオイルをつけたベビーマッサージなども効果があります。要は沢山、赤ちゃんのお腹やオシリを触ってあげると赤ちゃんも随分楽になるようです。「赤ちゃん半身浴」と言って、下半身を洗面器につけて温めてあげてもよいですね。
   
3.

あとは手足がわなわなして、びくつくようになる赤ちゃんはおくるみでしっかり包んであげると落ち着く子もいます。
今はスワドルミーと言って、それ専用のおくるみもあります。足が下にすっぽりはめられるので足の動きを制限しないようになっているようですね。バスタオルやおくるみでも十分代用できます。モンゴルやアジアの諸国ではおくるみでしっかりくるみ紐でぐるぐる巻きにして(いかにも焼き豚のよう)育てる育児法もあります。赤ちゃんはしっかり包まれたほうが寝るという説みたいですね。ただこれは寝つくまでの事で、長時間しばったままやきつく包まれたままだと逆にストレスになるので、頃をみはからって手足をフリーに動かせるようにしてあげましょう。意外とこの方法でうなりやきばりが少なくなったという赤ちゃんは多いですね。

 
スワドルミー 焼き豚のよう
4. あときばりやうなりが強い赤ちゃんは臍ヘルニアやソケイヘルニアと言って、腸が腹筋の割れ目から出てくる症状があります。お臍の部分や足の付け根の上の部分がふくらんでくるのですぐわかると思いますが、そういう症状が出てきたら、小児科医の診察を受けて、様子や経過を見てもらいましょう。大体が保存療法で治る場合が多いですが、昔のように硬貨やテープで貼る事は今はしなくなりましたので、ご注意ください。臍ヘルニアも腹ばいにすると腸がお腹の中に入りやすくなるので、起きているときは腹ばい中心で子育てすると、除々に良くなってきます。あくまでも腹ばいにする時は硬めの布団で大人が近くにいるようにしてくだだいね。

ママのご心配のうなりやきばりも3~4ヶ月になり、時期が来るとだいぶ減ってきますので、時のものというとらえ方をしてあまり深刻にならないようにしてくださいね。

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◆プロフィール

東京都調布市在住、助産師大学病院、未熟児センター勤務の後、結婚を機にフリーとなる。現在近隣の市区町村で、母親学級、育児相談、新生児訪問を行う。「ベビーマッサージ教室、カモマイル」、マタニティー専門トリートメントルーム「Queen Mammy」を主宰、アロマテラピーを用いた産前、産後のケアの他、最近はサロン、スパ施設などのマタニティーメニュー導入、立ち上げにも力をいれる。また、三鷹市のスポーツクラブ(レアレア、セサミスポーツクラブ、ティップネス国領店)でマタニティスイミング、アクアビクスのインストラクターも兼任する。
浅井貴子さんホームページ:http://www.mid-wife.info/

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