12月のハーブガーデン
冬の訪れを告げる「木枯らし1号」が
今年東京では観測されなかったと話題になっていました。
しかし、段々とするどい寒さを感じるようになってきています。
植物達もきちんと冬を感じとっているようで、
ガーデンのシンボルともなっている落葉樹のリンデンや、ウラジロハコヤナギは
もうすっかり葉を落としてしまいました。
ところで、皆さま「マジックアワー」をご存知でしょうか。
~日没後に体験できる数十分ほどの薄明りの時間~
この時間に、ガーデンは日中とは異なる雰囲気に包まれています。
スロープから見上げたヒーリングの丘リンデン
12月に入ると花後の実や種を色々見られるようになるので、
今回は、実や種のご紹介をしていきたいと思います。
フェンネルの種 ショップ前で撮影
夏に黄色の花を楽しませてくれた後に、このような種ができます。
ドライにした種はカレーやソーセージ、クッキーなどの香り付けに向いています。
イブニングプリムローズの種 薬香草の丘で撮影
この種子から抽出されるイブニングプリムローズ油には必須脂肪酸が含まれており、
カプセルや液体のオイルとして販売されています。
また、皮膚、爪、髪を美しく保つ働きもあるため、ビューティーケアにも活躍しています。
ツバキの種 蒸留実験ガーデンで撮影
日本でも古くから使われている「椿油」(カメリアオイル)はこの種から抽出しています。
花が終わった後に、果実がはじけて中の種がぶら下がっている状態です。
この種がぶら下がっている軸の部分は、上から見ると花のような形をしていてかわいいので、
リースの材料としても利用しています。
ダイダイ ヒーリングの丘で撮影
9月のハーブガーデンでご紹介したダイダイが、だいぶ色付いてきました。
しかし、実は長く枝に残り、このまま翌春までついていると、また緑に戻るという不思議な性質があります。
~今月の虫めがね~
今月から、ガーデン内を虫めがねを持っているように
細かく観察してみようというコーナーが始まります。
第1回目は、ローブヒップに注目していきましょう!
ガーデンで収穫したローズヒップを半分に割ってみました。
中に入っている種と、種のまわりの毛をしっかりとって
乾燥させたものを食用にしています。
とてもおいしそうに見えますね。
食べてみると、甘酸っぱい味がしました。
実が小さいロサ・ムルティフローラ(ノイバラ)は
ヒヨドリがついばんでいる姿が良く見られ、
他にもツグミやムクドリが周辺を飛び回っています。
写真左から、ロサ・カニナ、ロサ・ムリガ二ー、ロサムルティフローラ(ノイバラ)
※ガーデン内の植物採集はお断りしておりますので、
観賞してお楽しみください。
マジックアワーのガーデン散策はいかがでしょうか。
今月も皆さまのご来園をお待ちしております。