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アロマブレンドラボラトリー エッセンシャルオイル

オレンジスイート

2017.04.01 TEXT by Keiichiro Tsuda (Perfumer)
オレンジスイート

「ももいろ」と「だいだい」。

12色入りの色鉛筆や絵の具に入っている色の名前をみて、懐かしい気持ちになるのがこの2色。
他の色も日本語表記で「あお」「みどり」「むらさき」ですが、常用的な言葉だからか違和感がなく、
どうもこの2つは、幼心ながらどこか古語的だなと感じていた記憶にあります。今や「ピンク」「オレンジ」と言った方が
分かりやすそうなものなのに、変わらずこのネーミングで文具化されていることに、心地いい違和感と変わらない安心感を覚えます。

「橙(だいだい)」とはビターオレンジ(Citrus aurantium)のこと。スイートオレンジ(同オレンジスイート)(Citrus sinensis)は「甘橙(アマダイダイ)」と呼ばれます。
漢字の由来は定かでないですが、「木き登る」と書く漢字にも、豊かに実った果実を採るために木によじ登る様が目に浮かびます。
産地はブラジル、イタリア、スペイン、アメリカetc 、太陽光が気持ちよさそうな国をそのまま果実にしたような、快活な色と香り。
オレンジの中でもバレンシアやネーブルと呼ばれるものが、通常スーパーでも売っている食用として馴染み深いもの。
紅い果肉が特徴のブラッドオレンジは、よくイタリアンレストランのドリンクメニューで目にします。
ブラッドオレンジの香りは、微かながらもオレンジスイートより軽やかでフラワリーな印象です。
柑橘精油のほとんどが圧搾法(果皮をダイレクトに絞る)で採油されるため、ブラッドオレンジの精油は赤みが強くなります。

香りの印象や心理作用は、いつもポジティブ捉えられるわけでもなく、その時の気分やバイオリズムに呼応します。
ただオレンジスイートだけは、どのような心境においても、気持ちを逆撫ですることなく、万人に親しまれる傾向にあります。
他のどの精油より人懐っこく、ポジティブで、屈託のない陽気な印象。
柑橘精油の中でも糖度が高く、ほっとする甘さと、明るい爽やかさの絶妙なバランスが、トップノートの精油の中でも広く好まれます。


わたしはこのオレンジスイートを「太陽」「夏」「日中の明るさ」「元気」「温」「和み」「家族」などの要素の表現として、健全な第一印象を与えるために使います。
心身共に滞りがちな寒い冬にも、この温度感と陽気な香りが活用できます。もちろんこれからの春本番、陽の光を真っ向から浴びたくなるような季節にもピッタリです。


●おすすめブレンド
オレンジスイートないしブラッドオレンジを3滴に、ベンゾインAbs.1滴の組み合わせが黄金比率です。

●オレンジスイートの注意点
だいだい色が特徴の精油ですので、手作り化粧品などの使用時、布や衣類への色移り・シミにご注意ください。
また柑橘精油の特徴成分「リモネン」は、油汚れなどを分解する特徴を持っています。
そのため樹脂素材のボトル・容器の耐性にも影響を与えますので、使用量を調節してお使いください。

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