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グレープフルーツ

2017.05.15 TEXT by Keiichiro Tsuda (Chief Aroma Blender)
グレープフルーツ

ある実験で、登山者が山から下りて来た時に2つの飲み物を飲ませ、どちらがおいしいと感じるかモニタリングを測った、
という記事を見たことがあります。1つはオレンジジュースの香料を付けた飲料、もう一つはグレープフルーツの香料を付けた飲料。
もちろん両方とも、内容を明かさずに。
結果は8割以上の人が、グレープフルーツ香料の方を選びました。
オレンジを選ばなかった理由に「疲労感MAXなので、甘さより爽やかさを求めていた」や、
「オレンジは逆にのどが渇くような気がした」という感想が多くあった一方、
グレープフルーツの決め手はおおよその人が「苦みがおいしいと感じた」と、答えたそう。

人は身体的な疲労を感じると、酸味や苦みを欲します。
グレープフルーツ(Citrus paradisi)の香りは、アロマの世界でもダイエット時の強い味方などといわれます。
かの有名なスポーツドリンクにも、グレープフルーツに多く含まれるアルデヒド類の香料が使用されていますし、
部活終わりの学生が使う、制汗剤や汗ふきシートにもグレープフルーツの香りは多用されます。

疲れて休憩をしたいときには、そこに加えて活性作用は必要なく、ただ身体をOFFにしてニュートラルになりたいだけ。
グレープフルーツの香りはレモンほど刺激的ではなく、オレンジほど火照っていない、ただみずみずしく浸透するイメージが、
きっと心身草臥れた時に、丁度いいのかもしれません。


調香の際にも、このニュートラルにシフトするイメージで、似たような使い方をします。
ブレンドするということは香りを加算していくため、違う要素を肉付けするにつれ香りは複雑になり、圧や強さが増します。
濃厚さが増すことに減速をかけたい時、グレープフルーツの香りは、いい意味で全体を薄めて嗅ぎやすくしてくれます。
フローラル調のブレンドを作るとき、フローラル素材の香りを極力トップノートに引っ張りながら、
単独で主張し過ぎないグレープフルーツは、香りの希釈剤的に使用できます。


香りを嗅ぐことは、いつも何かの作用を求めがちですが、
「-」でも「+」でもなくする、ということも大事かもしれません。

●おすすめブレンド
 グレープフルーツは何にでも合います。オレンジやレモンより穏やかなトップノートを再現したいときにおすすめです。
 また水と合わせることで、グレープフルーツの本来のみずみずしさを感じることができるので、
 芳香器はミストディフューザーが向いているかもしれません。

●グレープフルーツの注意点
 光毒性(精油が皮膚に付着した状態で日照するとシミになる現象)の成分「フロクマリン」が含まれますので、
 肌に使用する場合は、日光に当たる直前の肌への使用は避けるか、フロクマリン除去タイプ(フロクマリンフリー)の
 グレープフルーツ精油をご使用ください。
 
 また血圧関連のお薬とのバッティングに注意が必要です。基本的に食品のグレープフルーツと食べ合わせることのに
 対しての注意ですが、香りを嗅ぐことも同様に心配な場合はお医者様にご相談の上ご使用ください。

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