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アロマブレンドラボラトリー エッセンシャルオイル

サイプレス

2017.06.01 TEXT by Keiichiro Tsuda (Perfumer)
サイプレス

南仏や南イタリアをはじめ、ヨーロッパ全域の田園風景にそびえ立つサイプレス(Cupressus sempervirens)は、
かの有名な画家ゴッホの絵にも複数題材として出てきます。サイプレス(糸杉)が描かれた風景画は、彼が入院していた病室から
見えた景色だそう。独特な色彩力を持ってそこで描いた情景が、他の作品より立体的に見えるのは、"死"を前にしてより意識した
"生"が投影されている故ではないでしょうか。
古代ギリシャ神話にもサイプレスの名前の由来になる逸話があったり、またキリストがかけられた十字架に使われていた木材だと
言い伝えられており、ヨーロッパでは古くから「死」や「悲しみ」「再生」などの意味合い(花言葉も同様)を付けられ、
神木として重視されてきました。

木材としても丈夫な性質から建材に使用され、害虫が寄り付きづらいと言われています。
高い抗菌作用があり、日本でいうところのヒノキと同様(サイプレスもヒノキ科)ヨーロッパ人の暮らしに馴染み深い木材です。
精油はサイプレスの枝葉や実から採油されます。

12月または山羊座のアロマ素材とも言われます。その具体的な謂れはさておき、
サイプレスの香りはどこか、"12月の神聖な空気感"や、"一年が終わる時期" "山羊座の基本性格"と少し似ている気がします。
寒さに耐える様、頑固さ、色気のなさ...(というと山羊座の方に怒られそうですが、私も山羊座です)
一貫した目標意識、合理主義、潔さ、コンサバなどなど、そんな気質の人を支えるようなサイプレスの香りは、
硬くどこか無機質、優しい印象ではないけれど正義的、色を感じさせないメタリックさもあり、他のものとは慣れ合わない、
でも他の何よりもフィトンチッド感が溢れている。

香りは色気やフェロモンと密接に関連付けられますが、対極になるこの堅物な香りが多用されるものがあります。
男性用香水です。
しっかりとした安定感や、どこか近寄りがたい孤高な印象、誠実さ、都会的、静寂感、強くカタい身体を形容するように
男性用香水にサイプレスはよく使われます。トップ・ミドル・ベースに存在感が継続するため、香り全体に緊張感とクールさを与えます。
ふわっと柔らかでセクシーさを表現するだけが、香水の醍醐味ではありません。

硬質で、必ずしも器用とは言えない、でもその存在感と生死の普遍性を感じる故に、長く愛される...
まさにゴッホの為人、人生とつい重ねてしまうサイプレスです。


●おすすめブレンド
サイプレスはジュニパーと類似した使い方ができます。
ライム・スペアミント・サイプレスを合わせて、これから来る雨季の気分をすっきり爽快にしてくれます。
またトリートメントオイルにも上記の3精油をブレンドし、むくみ対策のトリートメントがおすすめです。

●サイプレスの注意点
妊娠中の方、お肌の弱い方は少量で試すか、心配な場合は使用を控えましょう。


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