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サンダルウッド

2017.07.18 TEXT by Keiichiro Tsuda (Perfumer)
サンダルウッド

「想い」「温もり」「品格」などの言葉に匂いがあるとするなら、サンダルウッドなのかなと思ったりします。

植物由来の天然香気成分は、原料が植物のため、当たり前にそれらの香りを嗅ぐと屋外に生きる植物を感じます。 青臭かったり、果汁感があったり、土の中で眠っていた湿った香りだったり。 そんな中でなぜかサンダルウッドはダイレクトに植物感を思わせるインパクトではなく、 冒頭に挙げたような、どこか人肌くらいの温度感と、色彩がはっきりしない内側に潜める奥ゆかしさを感じます。

古くから、仏具類や工芸品などに使用されてきた正統なサンダルウッドとして認知されているのが、 インド産のサンダルウッド(Santalum album)。「白檀(びゃくだん)」として神社仏閣でも親しみのある香り。 お香の原料としても必要不可欠な素材ですが、需要に伴う原料の過剰消費・木部乱伐に歯止めがかかり、今では インド産サンダルウッドの保護、原料の流通に規制がかかっています。 その代用として近年使用頻度が増えたオーストラリア産サンダルウッド(Santalum spicatum)は、インド産のものとは香りも少し違えど、化粧品原料として有用に活用されています。 香りの微妙な区別をつけると↓↓(※官能感覚には個人差があります)


〇インド産SW(Santalum album)/ ◇オーストラリア産SW(Santalum spicatum)
〇低音               ◇高音
〇揮発が遅い(オーストラリア産比較)  ◇揮発が早い(インド産比較)
〇成熟            ◇未熟
〇甘み+少々酸味         ◇甘み+少々焦げ味
〇クリーミー           ◇クリア

半寄生植物(地中で他の植物の根に寄生し、栄養分を吸収して生育する植物)でもあるサンダルウッドは、 香りの中でもその役割に似た働きをします。揮発速度が速いトップノート・ミドルノートを長くガシっと 掴み留めて放しません。それらの散らばりやすい香りを丸く内包させ、香り全体の保留を促します。 そして最終まで尾を長く引き、生き残るのはサンダルの香りだけ。

もともと植物素材の香気成分は、動物が放つ香りとは似ても似つかぬ別世界のもの。 サンダルは動物性香気のムスクやアンバーと類似し、香りを包み皮膚に近い状態で定着させてくれます。 片方の手は人の皮膚、片方の手は植物香気。

木なのに、ヒューマンネイチャーを感じてしまう。人の心に寄り添い、鷲掴みにされる香りです。




●おすすめブレンド 冬場の乾燥が気になる頃(季節外れですが)、サンダルウッドとフランキンセンス、シストローズの 三つの精油を植物オイルやシアバターに溶かし、皮膚の硬くなりがちな箇所(かかと、ひざ、ひじ、指先など)にマッサージするように擦り込みます。少しゴワ付きが薄れ、ふくよかな触り心地になります。

身も心も柔らかくなる、おやすみ前のケアにおすすめです。


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