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アロマブレンドラボラトリー エッセンシャルオイル

ライム

2017.07.31 TEXT by Keiichiro Tsuda (Perfumer)
ライム

"水"または"クール"のメタファーになる、ライム(Citrus aurantifolia)

ひやりとした嗅ぎ口と、少し時間が経つごとにライム特有の青みが強まります。その特徴は、食用では考えづらい
くらいの機械的かつ人工的で、不思議な清潔感を引き連れてきます。
どうしても「おへそまで浸かって10数える塩素プール」や「夏の夕暮れに打ち水をした路地」を思い出したりして、
丁度今の季節の調香に多用しがちな柑橘精油です。
他の柑橘類には感じない脱暖色系の清涼感。
柑橘精油はどれも「爽やか」ではありますが、「涼しさ(冷たさ)」を感じるのはライムだけな気がします。


コーラ味のフレーバーにライムは欠かせません。飲料のコーラにライムをひと切れ浮かべたのが発端と言われます。
レモン同様に食べ物に添えられることが多いのですが、レモンより酸味の主張が少なく、香りの主張が強く現れるため、
食品や飲料を少し大人に、おしゃれな風味に仕立てます。

この「涼しさ(冷たさ)」や「おしゃれ」な味付けをしてくれるのはフレグランスでも同じこと。
ユーカリやミントなど清涼なハーブアロマとも非常に相性が良く、大人なキレ味を付与します。
イランイラン、ジャスミンなどのフローラルや、ベンゾイン、ミルラなどバルサミック素材にも加えると
みずみずしい印象に変わります。クールでウォータリーな第一印象を与えるに加え、フィンガボールに使用されること
でも知られるように、香りをリセットしてくれるため、メンズ化粧品や夏のデオドラント商品に、
しばしライムが活用されます。


パッタイやフォーにかけるのはレモン?

...いやいや、そこはライムでしょう。

モヒートにミントと一緒にすり潰す柑橘果実は?

...ライムでないと、モヒートとは言えません。


香りも同様、トップノートのシトラスがライムでないと成り立たないブレンドがあるはず。
私も探しつづけているところです。

●おすすめブレンド
グリーンカラーを活かした「ユーカリ、ライム、リツエアクベバ」。
これは、生活の木の店頭でも鉄板な組み合わせです。


●ライムの注意点
また柑橘精油の特徴成分「リモネン」は、油汚れなどを分解する特徴を持っています。
そのため樹脂素材のボトル・容器の耐性にも影響を与えますので、使用量を調節してご使用ください。
また光毒性(精油が皮膚に付着した状態で日照するとシミになる現象)の成分「フロクマリン」が含まれますので、
肌に使用する場合は、日光に当たる直前の肌への使用は避けるか、フロクマリン除去タイプ(有機:水蒸気蒸留精油)の
ライム精油をご使用ください。

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