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ネロリ(ビターオレンジフラワー)

2017.10.18 TEXT by Keiichiro Tsuda (Perfumer)
ネロリ

最近いろんな場面でよく聞かれる「何の香りが一番好きなんですか?」という質問。
草花全般の息づき方や、健気な姿勢に魅了されている者として、どの植物香気にも愛着があり、
それぞれのキャラクター付けがあって、この質問の即答に迷ってしまうものの、
いつもやっぱり、ネロリを答えてしまいます。

フランスで調香を勉強した際、先生にも同じように「あなたはどんな香調が好きですか?」と聞かれ、
私はぼんやりネロリを思い浮かべながら「果実味 + 仄かなフローラル + ウォータリー」、
その条件に当てはまる香りかなぁと答えたところ、先生はなるほど、と何かを読み取ったように頷きながら、続けて
「あなたはそんな雰囲気を持つ人にも惹かれるんじゃない?」といたずらな表情で聞いてきました。

単一精油であってもブレンドであっても、主観的に感情移入してしまう香りがあり、
確かにそれは、どこか"人"の好みとリンクしている気がします。

ネロリ/ビターオレンジフラワー(Citrus aurantium)
●果実味
 云わずも知れた「橙(ダイダイ)」の花。プチグレイン(ダイダイの葉)同様、柑橘精油に含まれる、
 リモネンなどが潜んでいて爽やかさが伴います。リモネン自体は柑橘精油の主成分ですが、ネロリの花の
 香り立ちには、このリモネンが全体を軽やかで爽やかにする役割を果たしています。

●仄かなフローラル
 白い花の香りには、ラクトン成分が多く含まれ、多少重くファッティ―になりがちなもの
 (ジャスミン、ガーデニア、チュベローズetc...)。しかしこのネロリは軽やかさが特徴で、
 粘質性や重みが少なく、限りなく乳白で、限りなくグリーン調が際立つフローラル香。
 ネロリ(ラ)公妃に因まれ与えられた名前にも、その品格と、高貴なものとして愛された歴史を
 感じる花のひとつです。

●ウォータリー
 私が幼いころ、どの家庭にもあったであろう入浴剤。それにも含まれるネロリ様の香り。
 お風呂を想起し、ふんわり優しく清潔な湯気とともに懐かしい記憶が蘇ります。
 また採油時に副製されるネロリの蒸留水は、今もなお世界的に化粧品原料として活用されています。
 華やかで高貴なだけではなく、どこか親しみを持てる落ち着く香りです。


「果実味 + 仄かなフローラル + ウォータリー」を人のタイプに置き換えると、
「いつも元気で新鮮な + 少しの華やかさをまとい + 人間らしい憂いを秘めている」という人を連想します。
惹かれるもの、またそうありたいと願う自身の姿が、ネロリの香気に集約されているような気がしています。

あなたは、どんな香り(雰囲気を持つ人)が好きですか?


 
 
 

●おすすめブレンド
ネロリは香調の代表的な1つ「シプレ(Cypres)」にフィットしやすい素材。
シプレは「柑橘 + ウッディ/アンバー/アーシー」なのですが、間を繋ぐミドルベースに最適なフローラルになります。
また瑞々しい基材との相性がいい為、手作りスキンケアやバス関連の香りづけに向いています。
シトラス、プチグレイン、ネロリは柑橘の木からなる各パーツの精油です。
これらを一緒にすると、大らかな自然味を体感できますよ

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