生活の木ライブラリー

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アロマブレンドラボラトリー エッセンシャルオイル

モミ(トドマツ)

2020.04.16 TEXT by Keiichiro Tsuda (Perfumer)

あれは私が二十代そこそこだった頃。当時花屋で勤めていた私は、年に一度過酷なオーダーを請け負っていました。それは恒例のクリスマスリース作り。

少し早めのお歳暮に配るため、100個近くのクリスマスリースのオーダーをくださる小粋でリッチなお客さまがいらっしゃって、それを全て手作りするというのが、毎年11月の恒例作業でした。

兵庫県は神戸の街・三宮には、海側に面する旧居留地というエリアがあり、花屋はそこにありました。

お店を閉めた後リース作りは夜中まで続きます。旧居留地には光のイルミネーションで有名な「ルミナリエ」という電飾のアーケードが催され、デパートでクリスマスプレゼントを買ったり、デート中の人たちがたくさん訪れます。そんな賑やかでキラキラした景色を眼下に、暗いオフィス街の一角で、一人セッセコセッセコとリースを作っていました。

リースの骨組みにモミの枝をワイヤーでひたすら編み付けていく単純な作業なのですが、ヤニで手は痒くなるわ、足は冷めたいわ、眠くなってくるわで...

今はそんな根気は残されていませんが、当時はその内職作業を、ラジオから流れるクリスマスソングを気休めに口ずさみながら、なんとか発注分を作り上げてやっと「今年も終わる~」という清々しい気持ちで、一年を締めくくっていたように思います。

私事の季節外れな思い出話になってしまいましたが、その過酷な例年の作業が、その後自分の人生に定着し、毎年ホリデーシーズンに突入するとリースを作ってしまう習慣が花屋を辞めた今でも続いています。

リースにつけるオーナメントや飾りの実類は、秋に拾って取っておいたものや去年の残り物などで適当に見繕い、土台のグリーンだけは必ず、「モミ」と決めて。

モミにも種類がいくつかあります。アロマでは有名なシベリアモミ(Abies sibirica)や、国産精油として有名なモミ / トドマツ(Abies sachalinensis)など。シベリアモミはシャープで松脂感が特徴的に感じ、モミ(トドマツ)の方は落ち着く素朴なウッディー感があるように思います。

その香りはホーリーで針葉樹特有のシャープさが清らかで、でも夏を思わせる清々しい緑とは違い、もっと静観しているような銀幕がかった、まさしく奥深い森の香りがします。

香りは気温や湿度が高いと分かりやすくその閾値を広げます。一方、冬のような寒い世界では香りは立ちづらいもの。しかしそんな寒い景色の中でもしっかり香りを放つモミ。

アロマ的作用としても森のフィトンチッドを凝縮した香りと役割を果たし、空気を清々しくし、木々の中に囲まれているような寧静な気持ちをもたらしてくれます。

モミの香りを嗅ぐと「わーそろそろクリスマスか~」と感じますが、ツリーやリースとしての装飾を連想させるだけでなく、おそらくモミのもつ清閑でイノセントな印象がそう思わせるのかもしれません。

冬やクリスマスのみならず、それはお部屋に篭るときなどにきっと役立つ香り素材になるはずです。

モミのお部屋クリーンブレンド精油(6ml分)


 精油

 ・シベリアモミ or モミ 30

 ・ティートゥリー 30

 ・ライム or グレープフルーツ 30

 ・リツエアクベバ 30


上記各精油のお好みにより、それぞれの滴数を変えてみてもいいかもしれません。

 生活の木の精油はドロップ1滴が約0.05mlですので、合計100 でおよそ5mlのブレンド精油ができます。

ブレンド精油は、アロマストーンやディフューザーなどを使って、香りをお楽しみください。

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