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アロマブレンドラボラトリー エッセンシャルオイル

ゼラニウム・ブルボン

2020.03.26 TEXT by Keiichiro Tsuda (Perfumer)

ただ今、桜の季節真っ只中。
「やっと春がきた!」と晴れやかに思う人や、「徐々に春めいてきたな~」と少し前からジワジワと感じていた人と、季節の変わり目を体感する感度や受ける刺激は人それぞれだと思います。
季節の移り変わりに気がつくのは気候や天候からだけでなく、受動態となる私たちのメンタルや身体的なコンディションが大きく影響しています。特に桜の開花から芽吹きの季節は、その感作性を顕著に感じるタームです。

私の周辺でも、その現象はよく起こります。
長らく連絡を取っていなかった知人から、妙に高いテンションで「今度久々に会おう!」と連絡があったり。意を決した決断に腹を括る人や、日頃ならスルーしていることがやけに気に止まったり、事実の事象以上に壮大なプレッシャーを感じてしまったり...などなど。

この得体の知れない"ソワソワ"は自律神経が司るもの。
それはホルモンのバランスにも大きく影響し、メンタルだけでなく、フィジカルな面でも自覚できるほど変化が現れます。春になると表の野良猫が騒がしくなったりするのも、このせいではないでしょうか?

しかしこれは四季ある国に息づく私達には当たり前の生理現象だったりします。
生かされているものに否応なしに巡ってくる時間や景色に、できるだけ上手く順応していくための、いわば "生理的な燻り"です。


ゼラニウムは、そんな自律神経やホルモンバランスを整えてくれると言われるアロマです。
(※「ゼラニウム」コラムもご参照ください)
私はゼラニウムの香りが大好きですが、一般的には少し葉っぱの香りが強いと思われたり、それこそホルモンバランスによりいい香りと思う時と、あまり好きじゃない香りと感じる時と、受け捉えられ方に大きな差がある素材の一つでもあります。

ゼラニウムには、よりローズ調がより際立つ「ゼラニウム・ブルボン」というブランド種が存在します。
フランスの海外県であるレユニオン島の原産またはプランテーションされたものとされており、レユニオン島の旧名ブルボン島から名づけられた通称です。ロージーな特徴からローズゼラニウムと呼ばれることもしばしあります(品種の分類には諸説あります)。


セラニウム・ブルボンは、ゼラニウムの葉を想起させるあのザラザラ感、毳々(けばけば)しさは少なく。
よりフレグランス調でフローラルさを感じ、通常ゼラニウムよりクリアでペールトーンな印象。
その雰囲気と少しの色気の割り増しが、品の良さを物語っています。

ハーバルとフローラルが混然一体となった香りを放つゼラニウム・ブルボンは、
「無理なく、ワタシらしく」という姿勢を手助けしてくれるはず。


はやる気持ちをなだめ、一巡する季節を新たな気持ちでスタートしたい。

楽しみましょう、春うらら。

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