ローズマリーとは
今では世界各地で栽培されていますが、元々は地中海沿岸に自生していたハーブ。紫がかったブルーの、可憐で美しい花を咲かせます。
学名の "Rosmarinus" は、ラテン語のros(雫・露)とmarinus(海)に由来。海岸の崖に生え、小さな青い花が海のしずくのように見えることから名づけられたという一説があります。素敵ですね。
ヨーロッパでは、古くは魔よけの役割を担い、伝統的な儀式にも使われてきたのだそう。
ペパーミントやコモンセージなど、香りの強いハーブと一緒に丸く束ねてブーケのようにした、タッジーマッジーにも欠かせないハーブです。
乾燥した厳しい環境でも育ち、強い生命力を感じさせるハーブ。筆者が旅行でアリゾナ州の砂漠地域を訪れたときにも、車道脇に自生している沢山のローズマリーにとても驚いたことがあります。
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ローズマリーの種類
生育する環境や成分の構成比により分類される(これをケモタイプと呼びます)ローズマリー精油ですが、
代表的なのは「ローズマリー・シネオール」。
1,8-シネオールという成分を含み、モロッコ産などがあります。
またスペインで自生する種にはカンファ―成分の割合が高く、採れた精油は「ローズマリー・カンファ―」として分類されます。
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香りの特長
すっきりとした清涼感のある香り。少し気だるさを感じる時間にふっと嗅ぐと、スーッと視界をクリアにしてくれるような印象があります。
鬱々とした鼻腔を通り抜ける爽やかさが、自然と深い呼吸に導いてくれるよう。
背中を丸めて歩いていた人が、ふと空を見上げて今日の青空に気づくような感じでしょうか。
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その抜けるような清々しい香りは、脳の中でも記憶を司る部分を刺激するとされ
一説によると、特にローズマリー・カンファ―精油の香りは認知機能の改善に役立つという研究もあるほどです。
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ローズマリーの使い方
▶フレッシュで
ハーブティーにはフレッシュでもドライでも使えますが、手に入るなら是非フレッシュのローズマリーティーを味わってみて。
シングルなら、先端の若い葉が飲みやすくておすすめ。
ミントとブレンドすれば、スッキリ爽快な風味で脂っこい料理の後などにぴったり。
▶キッチンハーブとして
清潔な瓶にローズマリーと鷹の爪、薄切りにしたニンニクを入れ、しっかりと素材が浸かる量のオリーブオイルを注いだら、ハーブオイルの出来上がり。ローズマリーの香りを移したオイルは、パスタやピザにかけたりと、お好み次第で様々に使えます。
肉のグリルやソテーには、ローズマリーの枝ごと加えて香り付けします。
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見た目の美しさ、香りの神聖さ。そしてお茶や料理など実用的な用途を合わせ持つハーブ、ローズマリー。昔も今も、人々の暮らしに寄り添ってきたことは言うまでもありません。
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Text by Yoshiko M.