アロマ・ハーブとの出会い
―― スキージャンプ競技の世界と、アロマテラピー。一見かけ離れた世界のように思えますが、アロマに興味を持ったきっかけは?
香りとの出会いは小学校5年生くらいの頃。とあるフレグランスショップを覗いてみたのが始まりです。
色々な香りに心掴まれ、これは何の香り?と成分を調べるうちに、自分でも調合してみたいと思うように。
少しずつ、ビーカーやメスシリンダーといったアロマブレンディングの道具を買い揃え、生活の木監修のアロマ本を参考にしながら配合比をあれこれ試したりしました。
自分なりにアロマを学び、精油をブレンドする楽しさを覚えていったのです。
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ハーブとの出会いは、試合で訪れることの多いヨーロッパで。
初めての遠征当時まだ10代だった私は、コーヒーが飲めず、滞在先ホテルの朝食に並ぶ豊富な種類の紅茶やハーブティーが楽しみでした。
中でも、ドイツで出会ったカモマイルティーの虜に。なんていい香りなんだろう、とホテルの部屋でも飲むようになって。水筒に入れて持ち歩いたりもして。
それ以来、カモマイルティーが私のお気に入りになりました。シングルでしっかりと花の香りを楽しむのが好きです。
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――ご出身が北海道とのことですが、故郷でなじみのあるハーブについて思い出があれば教えてください。
幼少期からなじみのハーブと言えば、薄荷(ハッカ)とラベンダー。祖母の家にはいつも薄荷飴や薄荷楊枝があり、学校の遠足の持ち物と言えば薄荷スプレーが定番でした。これらは、北海道ならではでしょうか。
地元のご縁で言えば、長野オリンピック金メダリスト・船木和喜さんは、私の学生時代のスキー部監督でした。船木監督に出会ってからワールドカップに出られるようになり、感謝と尊敬の念が尽きぬ恩師です。
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――競技生活において、アロマやハーブは実際どのように役立てられているのでしょうか?
スキージャンプはとても繊細な競技。そして自分との闘いでもあります。環境のせいにせず、自分と向き合うことが大事だと感じています。
心のケアも重要な要素。
メンタルを整えるために私が取り入れているのが、アロマです。
集中力を高めるために使っているアロマは・・・特にありません(笑)
高いジャンプ台に向かう時など、競技中は一人になる時間が割とあり、自ずと集中力が高まるからです。
一方で、私の場合は緊張を和らげることが良いパフォーマンスに繋がりやすく、アロマがその助けになっています。
例えば、練り香水をそっと肌になじませておき、ジャンプ直前に自分の体温や風と共にふわりと香りを感じると、落ち着いた気持ちで自分らしく跳べるのです。
2023年 世界選手権ラージヒル(スロベニア・プラニッツァにて)
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世界を舞台に挑戦するアスリートを支える、植物油を取り入れたセルフケアとは?
北海道では出会うことのない香りを、AIが教えてくれた?
・・・等々、インタビューの続きは《素敵な暮らし vol.4 後編》で!【10月3日公開予定】
北海道・上川町出身。オカモトグループ所属。2016年全日本選手権で初優勝。ワールドカップ最高順位4位。2018年平昌オリンピック、2022年北京オリンピック出場。2025年HBC杯 2度目の優勝。好きな香りはイランイラン。
インスタグラム: @yuka_seto222
【インタビュー・文】Yoshiko M. (生活の木)
マイアロマはフランキンセンス。当連載のほか、スリランカ発アーユルヴェーダ情報の翻訳、スキンケア情報記事などを担当。
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